「本来はこうあるべき」と思う自分。そして「どうにもならない」現実の自分。
両者が静かに乖離していくことを、どうすることもできない無力感。
私たちは「心を病む」という言葉を平気で使う。
その表現は果たして正しいものなのか?
運動能力に個人差があるように、人それぞれの心の在りようにも個性は存在する。
齢を重ねれば「生きること」そのものにもスレてくるものだが。
人一倍ピュアな心を有する登場人物たちが、世間から逃げもせずに生きていく姿に心をうつ。
決して彼らの生き様を肯定するわけではない。
しかし、過酷な環境でガラスのように繊細な魂が
揺らぎながらも逞しく生きる描写には共感を感じた。
心地よい安堵感を与えてくれる作品。
(なんでだろ?)

「あふれた愛」
天童荒太(集英社)
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4年前の作品ですが自宅の書架で偶然発見しました。
たぶんカミサンの本です。
お恥ずかしながら夢中になってしまったことを報告しておきます。
投稿者 ばくおん : 2004年07月08日 21:23| トラックバック | コメント (0)